「なんだか1日だけでしたがこの部屋にも愛着が湧いてしまいましたね」
「そうだな。またこうしてみんなで来ような」
「そうね、廃墟行くのもいいけどたまにはこうした旅行にも連れてってね」
「あぁ」
「舞子、そこのロビーで待ってなさい」
「は〜い」
「お母さ〜ん、椅子があるから座って〜」
「ありがと、舞子も座われば?」
「私はあっちの椅子に座るから平気よ」
「こっちの丸い椅子のほうが座り心地良さそうなんだも〜ん」
「まぁ、舞子ったら」
「お母さ〜ん 花が沢山咲いてるね」
「ねぇお母さん、お父さんとお母さんはどこで知り合ったの?」
「なんで?」
「ん?ちょっと聞いてみたかったの」
「また今度お話してあげるね」
「えぇ〜〜」
「さて、そろそろ帰るか」
「そうね」
「うん。 お父さん、またどこか連れてってね」
「あぁ、もちろんだ」
「やった〜 お母さん、今度その時にお話してね」
「ん?なんの話だ?」
「内緒〜♪」
約2年振りに訪問、ホテル式貸し別荘。貸し別荘と言ってもほとんどホテルと変わらないではないかと思ってしまう。炊飯器やら台所が各部屋にあるところをみると食事の出ない自炊式のホテルって事だろう。当時は色々試行錯誤をして旅館やホテルが乱立した。レジャーの多様化によって客足の伸びない昔ながらの観光地には、こうした生き残れなかった、時代についていけなかった者達が無言のメッセージを発している。

当時の思い出と一緒に・・・
TOP
  
inserted by FC2 system