この廃墟はとにかく椅子が多い場所だった。この椅子、22年間外を見続けている。
やがて床は腐り、椅子が床に飲まれていく、長い時間をかけて・・・
なにもない空間に灰皿がポツンと立っている。シーンと静まり返った空間。
この建物は外から見ると蔦だらけだが、冬のこの時期は建物の様子がよくわかる。
「君たち誰?」と話しかけられた様だった・・・
特記すべきことがない浴場。まぁお金出して泊る様な所でもないかな・・・
温泉街の外れにある一見何の変哲もない建物。だが中を見るとその長い時間が
経過している事がよくわかる。建物の廃れはそうでもないが、残っているものをよく
見ると、今ではリサイクル屋でも見られないレトロなものがある。温泉街にはやたらと
旅館やホテルが建ち並ぶが、こうしたいわゆる負け組みの施設も多い。しかし、我々
廃墟フリークには、不謹慎ながらもありがたい存在ではないだろうか?         
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